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私たちの毛は「毛周期」といって、成長期、退行期、休止期を一定のサイクルで繰り返しています。脱毛男性型脱毛症は男性ホルモンの影響でこの毛周期の成長期が短縮し、休止期にとどまる毛包が多くなる結果、前頭や頭頂の毛髪が軟毛化し細く短くなり、薄毛を呈します。日本人男性の約割3に認められ、育毛剤の製品は市場にあふれています。
医薬品では、2005年に日本で初めて男性型脱毛症の経口薬であるフィナステリド(プロペシア)が発売されました。フィナステリドは,テストステロンをより強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換する II 型5-α 還元酵素に対する阻害剤です。日本皮膚科学会の男性型脱毛症ガイドラインでは、推奨度Aに分類されている治療です。すでに国内では発売以降15年以上経過し、効果や副作用についての実証があります。日本人を対象とした比較試験で、3年間の内服で98%に効果が認められました。効果は早い場合は投与から3か月程度で現れます。大きな副作用は報告されていませんが、0.2%に肝機能障害が認められています。
さらに2016年に、新たにデュタステリドが発売されました。フィナステリドとの違いは I型とII 型5-α 還元酵素を阻害する点です。この点で、フィナステリド内服で効果が出にくい場合にも効果が期待できます。デュタステリドも、日本皮膚科学会の男性型脱毛症ガイドラインで推奨度Aに分類されている治療です。
副作用は、肝機能障害と、性機能障害(リビドー減少、インポテンツ、射精障害)が比較的高頻度で認められてます。
そのほかの注意点は、フィナステリドやデュタステリドを内服することによって前立腺がんの腫瘍マーカーである血中PSA値が半分の値になることです。人間ドックなど医療機関受診時はフィナステリド内服中であることを必ず申告してください。
当院では、処方希望の方は採血検査で肝機能を確認させていただきますのでご了承ください。